ひとり情シス企業の58%で増員計画が判明 
中堅中小企業を対象に「ひとり情シス実態調査」を実施

一般社団法人 ひとり情シス協会は、従業員50名から500名までの独立系、大手企業グループ会社系の日本国内の中堅中小企業を対象に「ひとり情シス実態調査」と「中堅企業IT投資動向調査」を実施しました。その速報値を報告いたします。

ひとり情シス実態調査

「ひとり情シス」とは、中堅中小企業において社内の情報システムを一人で担当している状態です。2021年は新型コロナウイルス感染症発生から2年目に入り依然としてテレワーク環境やBCP(事業継続計画)対策で忙殺されている状況や、デジタルトランスフォーメーションへの取り組みなどの企業競争力強化も加速していることが確認されました。特に、昨今のITエンジニア不足の問題はひとり情シス企業にも大きく影響をもたらしていることも判明しました。

中堅中小企業のリアルな「ひとり情シス」の実情を探ることで2022年に向けての新しい傾向が見えてきました。アンケート結果と自社を比較することで、今後の計画の一助になればと考えています。

・調査名  :「ひとり情シス実態調査」、「中堅企業IT投資動向調査」

・調査期間 :2021年12月13日(月) ~ 2021年12月31日(金)

・調査方法 :インターネット調査およびスポンサー企業データベースパネル調査

・調査企業 :従業員50名から500名までの独立系、大手企業グループ系の中堅企業

・調査対象者:ITの意思決定に関与する方

・有効回答数:1,846名

■「ひとり情シス」の2022年の傾向(速報値)

1. ひとり情シス企業の旺盛な増員意向

従業員数100名から500名の「ひとり情シス」企業は32%と昨年より微増である。しかし、58%のひとり情シス企業で昨年を大きく上回る増員意向を持っている実態が判明した。コロナ禍でのテレワーク環境への準備、デジタル化への対応など業務量が増えていることと、働き方改革の浸透により実働時間減少などで情シススタッフ増員の必要性を感じている。

ひとり情シス企業の増員意向

2. ゼロ情シスの企業の27%が専任化を計画

社内にITの専任者がいない状態である「ゼロ情シス」企業が、社内のIT環境やセキュリティ対策、資産管理などで情報集約化が急務であり、社内へ方針の徹底などの役割を持つ明示的な担当者を求めている実態が明らかになった。

専任ひとり情シスを任命する計画増

3. 経験3年未満のひとり情シスの増加

ベテランひとり情シスの定年退職や転職などの後任として情シス経験の浅いひとり情シスが増加している。ひとり情シスの24%が3年未満の経験であることが判明。社内の管理部門や技術部門から異動して着任する場合と、IT業界の勤務経験者の転職が54%を占めた。

経験3年未満の情シスの増加

4. 7割の企業で情シス職の採用が難航

情シスの採用に積極的になる反面、極めて採用が難しいと感じる企業が36%など、実際の採用活動で苦心している姿が報告された。主な理由は給与面、必要とスキルのアンマッチ。

情シス職の採用を難しく感じる

5. 半数以上の企業がパートナーを今後積極活用

ひとり情シスの業務量増大に伴い外部パートナーの積極活用の方針が強まっている。比較的軽度なPCクライアント管理やヘルプデスクなどのアウトソーシング活用よりも、プロジェクト管理やBCP環境構築などのプロフェッショナルワークの外部委託意向が鮮明になった。

パートナーを積極活用する計画増

<セミナー開催>

本発表の説明は、2022年2月10日に開催されるセミナー「ひとり情シスとテレワークの壁」(一般社団法人 ひとり情シス協会・スプラッシュトップ株式会社共催)においても発表いたします。さらにスプラッシュトップ株式会社と共同で実施したひとり情シス企業のテレワーク調査の実態、一般社団法人 ひとり情シス協会の活動報告をいたします。

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