何故、ひとり情シス協会をスタートしたのか?
2020年初頭から発生したコロナ禍は、私達の身の回りの環境を大きく変えました。会社に行くことがあたりまえの世の中から、突然、試行錯誤しながらテレワーク環境を構築し、BCP対策に備えなくてはいけなくなりました。皮肉なことながら、ITの重要性も今までで最も感じたことではないでしょうか?
コロナ発生後、2年連続でIT人材の増員を計画している会社も調査の結果で判明しています。一人の情シスから二人体制になる会社も少なくありません。また、IT予算も増額傾向です。ひとり情シスが多い中堅中小企業でITの価値を理解し始める企業が増えてきていることはとても喜ばしいものです。
しかし、二人や三人に増員したとしても、育成やチームワークなどで安定するまで時間がかかります。また、一人一人の責任範囲が全て異なっていて本質的には「ひとり情シス状態」は変わらないなどと説明される方も多いです。一人の時がやりやすかったと言う方もいますが、これも本質的な話ではないと思います。
ITの担当者を社内に配置するには、30名を超えると兼任のIT担当、50名を超えると専任者が欲しいと言われています。実際には100名近くにならないと専任者が配置されない現状でしたが、昨今のコロナ禍の影響で、担当者が不在の企業に一人目の情シスを配置する企業も相当数増えています。しかしながら、IT経験が浅い方が多いのも特徴の一つです。
最近、一人目の情シスを設置する企業や法人に特徴があります。コロナ禍の中で、医療関係者やエッセンシャルワーカーの多い企業は私達の社会のインフラを支えています。人手不足でITやデジタル化も遅れていますが、本来はもっともデジタル化を進める必要があるのかも知れません。それを裏付けるようにヘルスケアやメディカルビジネス関係、病院や高齢者対策事業、及び学校などの教育機関から多くのご相談を頂いています。少子高齢化するこれからの日本ではとても大切な役割を持っている企業や法人で、ひとり情シスが奮闘しています。
デジタル化の重要性が更に進み、IT人材が育成され、増加され全てが複数人の情シスになる日も近いかもしれません。しかし、それまではひとり情シス経験者の知見を借りて、困っているひとり情シスを支援していきたいと考えています。