
『情報システム部門新たなる創造』 (由井 竹雄 著, 1998/6/1)は、「システム開発部門は終焉を迎える」と断言していました。その背景には、システム開発の主導権が情報システム部門から現場の業務部門へ完全に移行するという確信がありました。具体的には以下のような理由とプロセスが詳しく記述されています。
1. 「目的指向型システム(EUC)」の時代へのシフト
これまでは情報システム部門が主導し、技術に焦点をあてた「技術志向型システム」の開発が主流でしたが、これからは業務部門が主導し、本来の業務目的に主眼をおく「目的指向型システム(EUC:エンド・ユーザー・コンピューティング)」の時代になります。パソコンに慣れ親しんだ世代が増え、現場の業務部門の人々自身が、容易にシステムを利用・開発できる環境が整いつつあります。
2. 代行開発の非生産性と限界
業務部門にとって、システム開発部門にシステム作りを頼んで非生産的な交渉に時間を費やすよりも、自分たちの手で直接やった方が早く、満足度も高いということに現場が気づき始めています。
3. 新たに求められるシステムの性質の変化
大量のデータを処理するような定型業務のシステム化はすでにほとんど完了しています。これから各部門が新しく作りたいと望むシステムは、より非定型的で、各部門の管理職の「趣味的な志向」が強く反映されるような分野が多くなるため、情報システム部門が代行するよりも自ら対応する方が理にかなっています。
4. 情報システム部門の新たな姿(開発からインフラ・支援へ)
現在、情報システム部門には主に「技術」「開発」「運営」の3つの機能がありますが、業務部門のシステム開発を代行する「開発部門」の機能は近い将来になくなります。その結果、各業務部門がそれぞれの個別業務システムを自ら担当し、残された情報システム部門は、企業全体に共通する**汎用的な部分(インフラなど)に特化した「ユーティリティ部門」へと生まれ変わります。そして、現場のユーザーが自らシステムを構築・運用するのを支援するための「ヘルプデスク機能(技術的障害の解決やコンサルティングなど)」**が、今後の最も重要な役割になるとしています。
つまり、「開発部門がなくなる」というのは情報システム部門自体が消滅するということではなく、「他部署の業務システムを代行して作る」という従来の役割が終わりを告げるという意味です。
少しの違いはあれど、何となく当たっているような気がします。そこでChatGPTに内容を評価してもらいました。その結果は、
「本書では、システム開発の主導権が情報システム部門から業務部門へ移り、現場が自らシステムを作る「EUC(エンドユーザーコンピューティング)」の時代になると予測しました。また、情シスが他部署の業務システムを代行して開発する役割は縮小し、代わりに企業共通のインフラ管理やユーザー支援、ヘルプデスク機能を担う「ユーティリティ部門」に変わると指摘しています。実際に現在では、Excel・ローコード・ノーコードなどにより現場主導のIT活用が広がり、この予測の多くは現実化しました。一方で、システムの巨大化やセキュリティ対応の重要性により、開発機能そのものは完全には消えておらず、全体としては予言は78点と評価できます」
78点でした!まあまあ当たっていますね。「ユーティリティ部門」は、まさにそのようになっています!

で、我々はここから何を学ぶのでしょうか?それもChatGPTに尋ねてみました。
「予言から学べるのは、未来を読む際には個別の技術よりも組織や役割の変化という「構造」を見ることの重要性です。著者は、システム開発の主導権が情報システム部門から業務部門へ移ると指摘し、現場主導のIT活用が広がる流れを予測しました。現在のローコードや市民開発の広がりを見ると、その方向性は大きく外れていません。未来予測は完全に当てることよりも、大きな流れを捉えることに価値があると分かります」
ITやデジタルの前に、組織や役割の構造を予測することが肝要ですね。しかし、AIの時代でそんなことできるのでしょうか?

