ひとり情シス協会は群馬県事業者と提携してメンタルヘルス窓口を開設へ

中堅中小企業のひとり情シス、少人数情シスのウェル・ビーイング支援策。
無料モニタリングも募集

2025年 5月27日

一般社団法人ひとり情シス協会は、公認心理師・臨床心理士が運営するカウンセリングルームEncourage(群馬県高崎市)と提携して、中堅中小企業のITエンジニアで社内の情報システムを担当する、ひとり情シスや少人数情シス向けにメンタルヘルス窓口を開設します。

厚生労働省の労働安全衛生調査によると情報通信業は、メンタルヘルス不調による休業・退職者がいる事業所の割合が32.4%、休業者が労働者全体に占める割合が1.3%と全業種のトップに位置しています。中でも、情シス担当者は、企業のデジタル化において重要な役割を担っていますが、企業規模に関わらず大きなストレスにさらされています。ストレスチェックで高ストレスと判定されていても「自分の状態を正確に把握できていない」状況にあります。また、中小企業ではストレスチェック後の対応が不十分であり、適切な相談窓口を見つけることが難しく、相談を躊躇することも多いため、予防や早期対策が必要にもかかわらず対応が遅れる傾向があります。

そこで、ひとり情シス協会オリジナルのメンタルヘルスサポートプログラムのASAP(アスアップ=明日、Up!)を開発しました。数種類の心理検査を活用し、協働的アセスメント(Collaborative Assessment : CA)の手法を用いた1回限定の心理療法を実施します。中堅中小企業のひとり情シスや少人数情シス向けに「自分を知り、自分を変える」を支援していきます。カウンセリングの結果を元に情シスの具体的行動計画に展開します。日本で初の中堅中小企業の情シス業務に特化したメンタルヘルスサポートプログラムです。

カウンセリング場所は、Zoomによりオンライン環境、または群馬県前橋市の群馬県庁内官民共創スペースNETSUGENで受けることができます。群馬県は、2024年移住希望地ランキング1位 であり、豊かな自然環境や食生活に恵まれ、都市部では医療環境も充実しています。カウンセリングに加え、近隣の自然環境でリフレッシュするセラピープログラムも併せて提供し、中堅中小企業のひとり情シス、少人数情シスのウェル・ビーイング向上を目指します。


メンタルヘルス窓口開設の背景

ストレスチェック後の不十分な対応

2015年12月1日から、労働者50人以上の事業所に対して実施が義務付けられています。10年経過していますが、50~99人のストレスチェックの実施状況は74.5%に留まっています。しかも、従業員50人未満のすべての企業に義務付けることを柱とした労働安全衛生法の改正案が2025年5月8日、衆議院本会議で賛成多数により可決、成立しました。公布から3年以内に施行される予定です。

ストレスチェックを実施した後に、高ストレスの従業員に企業は適切な対応をしなければなりませんが、中堅中小企業では、専門知識を持った安全衛生担当者の不足、安全衛生委員会の形骸化、メンタルヘルス対策に関する専門的知識の不足、予算や人員の制約などにより、ストレスチェック後のフォローアップ体制が2割程度と言われています。人手不足の現代では社員のストレスを減少させ、パフォーマンスを最大化する必要があります。

増加傾向のメンタル不調者

厚生労働省の労働安全調査の中小企業のメンタル不調者の休職者数は、大企業に比較すると約半分と少ないものの、中小企業は2021年から2023年で11%増加傾向です。一方、大企業は減少傾向を示しています。また、IT関連技術者(情報・通信業)の占める割合は全産業の約6%ですが、メンタル不調者は約12%と多数です。

IT関連技術者の転職機会増加による影響も懸念され、職場環境変化や人間関係の再構築などで転職後に約87%がストレスを感じているとの報告もされています。コロナ禍以降、中小企業にもデジタル化対応のニーズが高まり、ひとり情シスなどのIT担当者を採用・社内異動させて対応しており、担当者のストレスは増加しています。

情シス担当者のストレス

情シス担当者は、経営層とユーザーの間で調整することや、技術面のみならずユーザーにわかりやすく説明するコミュニケーション能力など様々な能力を要求されます。また、情シス担当者の8割近くが業務多忙といわれており、ストレスチェック制度において高ストレスと選定される可能性があります。そして、仕事面での兆候として、タスクの完了に通常より時間がかかることや、ミスや設定エラーが増えることがあげられます。精神面での兆候としては、慢性的な疲労感や疲れが取れない感覚、集中力の低下、注意散漫が増加します。行動面での兆候としては、睡眠パターンの変化や、過食や食欲不振の食習慣の変化などが現れてきています。

このような状況では、業務量の適正化や、可能であれば人員増強、チーム編成の見直しが必須となります。また、定期的なストレスチェックの実施、産業医や専門家への相談窓口へのコンタクトも重要です。しかし、中小企業では専門知識を保有する安全衛生委員が不在であることや、従業員の社内に知られたくないという感情もあり、積極的に自ら行動されないことがあります。さらに、相談しようとしてもどこに行くべきかわからないなどの悩みも発生します。


ひとり情シス協会のメンタルヘルス窓口

メンタルヘルス窓口概要

そこで、ひとり情シス協会は、カウンセリングルームEncourage(以下、Encourage)と提携し、2025年6月1日から9月30日までの期間限定で、中堅中小企業のひとり情シス・少人数情シス担当者を対象としたメンタルヘルス窓口を開設いたします。

メンタルヘルス専門家による、群馬県内の経験豊富な臨床心理士・公認心理師が心理面接(カウンセリング)と心理検査を実施し、アセスメントに基づいた適切な初期対応を行うことを目的としたプログラムを実施します。プログラム参加者は、ひとり情シス協会関係者による情報交換やアドバイス、キャリアデベロップメントのワークショップやプロジェクトに参加頂けます。また、心身のリフレッシュを図るセラピー・リトリート体験として、群馬の豊富な自然環境の中での森林セラピー体験、食の改善、温泉巡り、森林でのリモートワーク経験プログラムを実施します。

本窓口は、日々の業務に追われながらメンタルヘルスの不安を抱える情シス担当者の方々に向けた専門的な支援を提供するものです。目安として従業員30名から2000名規模の中堅中小企業に勤続する情シス担当者の方々を対象としています。

ASAP -メンタルヘルスサポートプログラム

メンタルヘルスサポートプログラムの中心であるASAPは、「Assist in Self-Awareness for Promit」の略で、「ひとり情シスの自身の気づきを支援する」の意味を持つメンタルヘルスプログラムです。中堅中小企業のひとり情シスや少人数情シスのストレス状況を正しく把握し、「自分を知り、自分を変える」対処行動をアシストしていきます。(Promit とは、Professional one man ITの略でプロひとり情シスの意)。3種類の心理検査を活用し、協働的アセスメント(Collaborative Assessment : CA)の手法を用いた1回という限定的な心理療法を実施します。

経験豊富な臨床心理士・公認心理師が心理検査の結果を用いて、参加者の性格特性、認知パターン、感情傾向などをアセスメントします。標準化された客観的なデータを活用し、(参加者の)自己理解を促進します。ASAPでは検査で明らかになった強みや課題について話し合い、具体的な対処法や成長の方向性を共に探ります。この過程で自分自身への洞察を深め、より効果的な問題解決や心理的成長に繋げることができます。検査結果はあくまで対話の出発点であり、カウンセラー(心理士/師)は参加者の反応や感想を尊重しながら進めていきます。

米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校やカナダのカールトン大学の研究者らが2017年に発表した「介入による性格特性の変化に関する体系的レビュー」によると、介入の効果は数週間から数ヶ月でビッグファイブパーソナリティ特性(神経症傾向、外向性、開放性、協調性、誠実性)に変化をもたらすことが可能であると観察されました。そのような効果がASAPでも認められるか、調査していきます。希望者には、カウンセリング前と後の性格検査を実施します。

心理検査セット

心理検査セットは、3種の心理検査ツールで構成されます。ラザルス式ストレスコーピングインベントリーはストレス対処方略(問題解決・感情調整)を評価し、自我態度スケールは自己認識や自己肯定感等のパーソナリティを測定します。POMS2は怒り・混乱・抑うつなど7つの一時的気分状態を評価する検査です。これらは心理介入やカウンセリングに活用されるものです。より多面的に自分を知る為に、この3種を組み合わせ評価していきます。

ASTAC - 情シス診断チェックリスト

ASTACは、「Admin Systems Transformation Assessment Checklist」の略で、ASAPのサブプログラムとして位置し、「情シス業務のトランスフォーメーション評価チェックリスト」です。中堅中小企業のひとり情シスや少人数情シスの業務内容に合わせて、ひとり情シス協会の技術チームが策定したチェックリストです。

チェックリストは、3領域から成り立ちます。①情シス計画マネジメント・チェックリストは、基礎対応から組織的アプローチを経て、経営連携型の高度マネジメントへと発展する効率化指針です。②ストレスマネジメント・チェックリストは、適応的スキルを経て、高度な感情管理能力へと段階的に成長する情シス担当者向け自己評価ガイドです。③対人マネジメント・チェックリストは基本的な相談対応から組織的視点を経て、デジタルエコシステム構築へと発展する情シス担当者向けの段階的な成長構築ガイドです。情シスにとって重要な3つの要素のTECH(技術計画),  MIND(ストレスマネジメント), LINK(対人関係)がバランスよく機能し、情シス担当者の業務と精神的健康の両立の実現を目指します。

利用の流れ

以下の流れで進行します。

  • ひとり情シス協会のホームページ内の専用サイトより申し込み
  • 入力情報は、初期診断項目
  • Encourageから心理検査セットと利用同意書を送付
  • 心理テスト実施後、同封した封筒に入れて、指定された期日まで返送
  • 採点終了後、カウンセリング日程調整のメールを発信。
  • テスト結果について、90分のカウンセリング実施。
  • ASTACを参考に、具体的なアクションプランを策定
  • カウンセリングで話し合った内容のアセスメント報告書送付
  • ASTAC補足が必要な場合は、ひとり情シス協会関係者が説明

対象者

中堅中小企業の事業会社(従業員30名から2000名が推奨)で勤務するひとり情シス・少人数情シスでメンタルに不安を抱えている方。

場所

Zoomと対面を選択可能です。対面カウンセリングは、群馬県前橋市の下記会場にて行います。

群馬県庁 官民共創スペースNETSUGEN 群馬県庁32階
〒371-8570 群馬県前橋市大手町1丁目1−1
JR両毛線前橋駅下車バス約6分, 新前橋駅下車バス約7分, 中央前橋駅下車バス約7分

費用

1人 52,400円(税込 57,640円)
※対面カウンセリング場所の現地までの交通費や宿泊代等は含まれていません。
※無料モニタリングあります、下記ご参照ください。

申し込み

ひとり情シス協会申し込みサイトにて、現状の業務状況や心理的状況に関する情報を入力し申し込みして下さい。

ひとり情シス協会申し込みサイト
https://forms.gle/wf6G6s9fi8hJbCJV7

無料モニタリング

開設を記念して10名様に無料モニタリングを提供致します。専用サイトより申し込み後、3週間以内に無料モニタリング対象者に御連絡します。無料モニタリング申し込み頂いた方に、有料のプログラムをセールスすることは致しませんので、ご安心して申し込み下さい。

提携心理士

高井順子
公認心理師/臨床心理士
カウンセリングルーム エンカレッジ室長 
医療法人高柳会赤城病院・大平下病院非常勤公認心理師 
所属学会 日本心理臨床学会/日本認知療法・認知行動療法学会

公認心理師/臨床心理士 高井順子

群馬県と埼玉県の精神科病院で心理専門職として修業。心理テストを用いた鑑別診断の補助(発達障害や気分障害、統合失調症等)や、症状の背景にある性格について推論し、医師に結果を報告するとともにご本人へのフィードバックも行う。外来患者を中心にカウンセリングも実施。2015年から行政機関で生活困窮者自立相談支援事業に従事。「働くことや働き続けることに難しさを感じている人たちやその家族」とどうなりたいか個別に目標を立て、支援計画を作成。様々な関係機関と連携しながらサポートを行っている。群馬県内で唯一、心理検査を用いて短期の心理療法を行う「協働的アセスメント」を実践。

2018年度地方自治研究群馬県集会 最優秀賞「効果的な就労支援の提案-働くことに困難を抱える人と働き手を必要としている人をつなぐために-」群馬県の事業として人とつながる、新たなアイデアが生まれる、官民共創スペースであるNETSUGENにて精神科医や弁護士と連携して連続メンタルセミナーを主催。ぐんまスタートアップアクセラレーションプログラム(RAITO)2024にて、ビジネスプランをに応募し、今回のメンタルヘルス窓口開設に発展。



メンタルヘルス全体プロセス

改善プログラムと再評価

ASAP終了後、継続カウンセリングの必要性がある場合は、より深く自分のことを知れるよう、Encourageより心理検査とカウンセリングの追加プログラムを実施します。内容については、症状、状況に合わせて話し合いで決定します。薬物治療が必要と考えられる方には医療機関におつなぎします。休職中の方で、さらなる状況改善、再評価が必要であれば、リワークデイケア(職場復帰支援プログラム)利用の提案をします。

協働的アセスメントとは?

協働的アセスメントは、治療的アセスメント・アジアパシフィックセンターが教育・実践を行っている心理アセスメントの手法です。心理検査を単なるアセスメントの道具として使用するのでなく、評価者とクライエントが共に参加し対話を通じて治療的介入を行います。心理検査を用いてクライアントの問題解決を図る短期的心理療法として機能します。この手法は1990年代にスティーブン・E・フィン博士によって体系化され、コンスタンス・T・フィッシャー博士やレオナルド・ハンドラー博士らと共に発展しました。

基本理念は、①クライエントとの協働、②心理テストを「エンパシー増幅器」として活用、③テスト結果の意味の共同探求、④自己理解の促進です。クライエントはアセスメントの目標設定から結果の解釈まで全過程に関与します。研究によれば、治療的アセスメント(半構造化された協働的アセスメント)は治療プロセス(g=0.46)、クライエントの症状(g=0.34)、自己成長(g=0.37)に統計的に有意な効果を示し、平均2.7セッションという短期間で肯定的な変化をもたらします。

現在、治療的アセスメントは世界中で実践されており、米国の本部に加え、日本では、「治療的アセスメント・アジアパシフィックセンターセンター(Asian-Pacific Center for Therapeutic Assessment: ACTA)」が設立され、この手法の普及が進められています。この手法は心理検査を診断だけでなく、クライエントの自己理解と変化を促進する治療的介入として心理アセスメントの新たな可能性を示しています。

今回の提携心理士は、ACTAやフィン博士のワークショップに参加され、協働的アセスメントの実践を推進しています。



セラピー・リトリートプログラム


「セラピー・リトリート」とは、日常業務から離れた環境で心身の回復と再生を図るためのプログラムです。IT業界特有のストレスやプレッシャーから一時的に離れ、自然環境の中でリラックスしながら自己を見つめ直し、新たな視点やエネルギーを得る機会を提供します。本プログラムは以下の3つのプログラムで構成されています:

1. 森林セラピー体験

林野庁認定の森林セラピー基地である赤城自然園等を散策し、瞑想体験などを通じ心身共にリラックスを体験できます。また、食の改善や温泉巡りなど日ごろの喧騒からの緊張感をほぐすプログラムも提供いたします。自然の中で過ごす時間は、デジタル環境に囲まれた日常から離れ、心を落ち着かせる絶好の機会となります。

2. アウトドアキャリアワークショップ

自然に近い場所でのリモートワーク体験やワークショップなどを通じて、他の情シス経験者との会話の機会を提供します。同じ立場の仲間とディスカッションしながら、情シスとしての今後のキャリアを雑談レベルで考え、将来のゴールを探索していきます。

3. マインドフルネス

マインドフルネス介入は、呼吸や身体感覚への注意集中、瞑想、ヨガなどの技法を通じて、現在の瞬間に意識を向けることを促します。これらの技法は、ストレス軽減や精神的健康の改善、感情調整能力の向上などの効果があるとされています。


協働的アセスメントとは?

概要と定義

協働的アセスメント(Collaborative Assessment)とは、心理アセスメントにおいて評価者(セラピスト)とクライエント(被評価者)が共に参加し、対話を通じて情報を収集・解釈する協働的なアプローチです。この手法は、従来の情報収集型のアセスメントとは異なり、アセスメント自体を治療的(therapeutic)な介入として活用します。特に「治療的アセスメント(Therapeutic Assessment : TA)」として知られる体系化された手法は、心理検査を用いてクライエントの抱える問題や人生の課題をより良い方向へ変化させるための短期的な心理療法として機能します。

開発の歴史と主要人物

協働的アセスメント・治療的アセスメントの体系化は、主にスティーブン・E・フィン(Stephen E. Finn)博士によって1990年代に行われました。フィン博士は1993年に「Therapeutic Assessment」という用語を考案し、テキサス大学オースティン校の「Center for Therapeutic Assessment(治療的アセスメントセンター)」で同僚たちと共にこのアプローチを発展させました。

フィン博士はコンスタンス・T・フィッシャー(Constance T. Fischer)博士やレオナルド・ハンドラー(Leonard Handler)博士らと共に、この分野の基礎を築きました。特にフィッシャー博士は人間科学心理学と人間主義心理学に基づく個別化された協働的アプローチの先駆者として知られています。

基本理念と手法

協働的アセスメント/治療的アセスメントの基本理念は以下のとおりです:

  1. クライエントとの協働: 評価者とクライエントの間の力関係を可能な限り対等にし、アセスメントの全過程でクライエントを積極的に参加させる
  2. エンパシー増幅器としてのテスト: 心理テストを「エンパシー増幅器(empathy magnifiers)」として使用し、肯定的な変化を促進する
  3. 協働的な探求: テスト結果の意味について共に探求し、クライエント自身の人生との関連を理解する
  4. 自己理解の促進: クライエントが自分自身について、より正確で温かみのある、そして今後に役立つ新しい見方ができるよう支援する

この手法では、クライエントはアセスメントの目標設定からテスト結果の解釈、まとめの作成、他の専門家への結果の共有まで、アセスメントのあらゆる段階に関与します。

研究と有効性

治療的アセスメントの有効性については、複数のメタ分析研究で検証されています。特に2021年に発表されたメタ分析では、治療的アセスメントが次の3つの主要なアウトカムに対して統計的に有意な効果を示したことが明らかになりました:

  1. 治療プロセス: g = 0.46の効果量(中程度の効果)
  2. クライエントの症状: g = 0.34の効果量(小〜中程度の効果)
  3. クライエントの自己成長: g = 0.37の効果量(小〜中程度の効果)

研究によれば、治療的アセスメントは平均2.7セッションという短期間で、治療プロセス、クライエントの症状、クライエントの自己成長に肯定的な影響を与えることがわかっています。

また、治療的アセスメントは柔軟性があり、スーパービジョン、より多くの治療的アセスメントの要素の導入、追加の介入時間などがアウトカムに大きな影響を与えないことが示唆されています。これは、技法的な側面よりも、尊重、協働、共感的理解といった根底にある哲学や価値観が重要であることを示しています。

実践の広がり

現在、治療的アセスメントは世界中で実践されており、米国のテキサス州オースティンにある本部の他に、イタリアのミラノにヨーロッパセンター、日本の東京にアジア太平洋センターが設立されています。また「Therapeutic Assessment Institute(治療的アセスメント研究所)」が設立され、専門家教育、研究、普及活動が行われています。


何故、群馬でメンタルヘルス窓口をスタートするのか?

現代社会において、メンタルヘルスケアの重要性がますます高まっています。その中で群馬県という地域を選んでメンタルヘルス窓口をスタートする理由は、同県が持つ独特な魅力と、現代人が求める「真の豊かさ」への回帰にあります。

群馬県の魅力:住みやすさ全国トップクラス

群馬県は近年、移住したい県として全国1位に選ばれており、その住環境の良さが注目を集めています。新幹線で東京から47分、車でも練馬ICから約70分という抜群のアクセスの良さと、豊かな自然環境を両立していることが最大の強みです。都市部での仕事を続けながらも、自然豊かな環境で生活する「デュアルライフ」の実現が可能で、現代のワークライフバランスを重視する人々にとって理想的な環境といえます。


日本屈指のウェルネス環境

群馬県は温泉湧出量で全国2位を誇り、その豊富な温泉資源は心身の癒しに直結します。温泉療法はストレス軽減や自律神経の調整など、メンタルヘルスに効果があることが科学的に証明されています。さらに、赤城自然公園をはじめとする自然環境は森林浴による心理的効果をもたらし、スキー場数全国4位、ゴルフ場数全国7位という充実したスポーツ環境も整っています。運動がメンタルヘルスに与える正の影響は広く知られており、定期的な身体活動はうつ病や不安障害の予防・改善に効果的です。

Well-Being先進都市・前橋市の取り組み

前橋市は「Well-Being先進都市」を掲げ、市民の健康と幸福を最優先に据えた施策を展開しています。セラピー&リトリート施設が充実し、精神科医も多くメンタルヘルスケアのインフラが整備されています。

価値観の変化と新しいライフスタイル

コロナ禍を経て働き方が多様化し、人々は「本当に豊かな生活とは何か」を見つめ直しています。都市部の慌ただしい生活から、時間的・精神的余裕のある生活への転換を求める人が増えており、群馬県が提供する自然環境、温泉文化、スポーツ環境は、まさに「質の高い生活」を実現する条件を満たしています。

メンタルヘルス窓口設置の意義

群馬県でメンタルヘルス窓口を設置する最大の意義は、問題が深刻化する前の「予防」に重点を置けることです。豊かな自然環境と充実したウェルネス施設を活用し、従来の診療室での対話だけでなく、自然療法や体験型セラピーを組み合わせた総合的なアプローチが可能になります。また、移住や転職など人生の転換期におけるメンタルヘルスサポートのニーズに対して、実践的で効果的な支援を提供できます。

群馬県でメンタルヘルス窓口をスタートすることは、自然環境と人間の関係を見つめ直し、真の癒しと成長を促進する新しいアプローチの実践です。豊かな自然、充実したウェルネス環境、そして住民の幸福を重視する行政の取り組みが揃った群馬県だからこそ、メンタルヘルスケアの新しい可能性を切り開くことができると考えスタートしました。

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